公約違反?
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ブラジルでボルソナロ大統領に対する反発が強まっている。新型コロナワクチンをめぐる汚職に関与した疑惑が浮上し、調査対象となった。
軍隊出身のボルソナロ大統領は若い頃から野心家として知られた。1986年には「軍隊の給与水準が低い」と記事に書いて逮捕されたこともある。
歯に衣着せぬ物言いは、政治家としてのキャリアの下地にもなった。「軍人の味方」としての姿勢を打ち出し、強固な支持基盤になったのだ。
2018年には大統領選を制した。極端で物議を醸すのが得意で「ブラジルのトランプ」と呼ばれるほど。そんな彼が大統領選で公約に掲げたのが「汚職撲滅」だ。
現地のニュースサイト「UOL」の報道では、元親族の証言から「親しい側近を雇い、給与の一部を返還させる」という手口で汚職に関与していたと伝えられる。連邦議会議員時代の話だ。
ブラジルでは、すでに50万人以上の人がCOVID-19によって亡くなっている。ボルソナロ大統領はロックダウンやマスク着用、ワクチン接種などの対策に反対してきた。それがワクチン調達の際にも汚職に関与していたとなれば、国民が怒るのも無理からぬ話である。