足りぬ、足りぬぞ
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翻って米国では、別の要因で配車サービスに逆風が続いている。それが何かというと「ドライバー不足」だ。
パンデミックから復活しつつある米国では、UberやLyftがドライバーを再び迎えるためにインセンティブを用意。配車サービス自体の需要は回復しているが、依然としてドライバーたちの足取りは重い。
ドライバーが配車サービスに戻りたがらない理由はいくつもある。
一つは言うまでもなく、安全性上の懸念だ。ワクチンが広がっているとはいえ、接種が完全に終わった人は50%に満たない(7月3日)。ドライバー自身がワクチンを受けられなければ、二の足を踏むのは不思議ではない。
稼げるプラットフォームの選択肢が増えた背景もある。今人気なのはフードデリバリーや買い物代行で、どちらも他人と密室に閉じ込められることはない。走行距離も短く、乗客に気を遣う必要もない。
パンデミック下で行われた支援策の影響も残る。秋になって給付金が停止されるまで、最大限働かずにいようと考える人も少なくないわけだ。注目は、9月ごろ彼らがどう動くかである。
ドライバー不足が続けば、両サービスとも抜本的な対策を取らざるを得ない。プラットフォーム側の取り分が減れば、長期的な収益性に影響を与える可能性もある。