中南米向けEC SaaS
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ソフトバンクグループも出資するSaaS企業「VTEX」が近くニューヨーク証券取引所に上場する。
創業は12年前。Walmartがブラジル向けにオンラインショップを開設する際のパートナーに選んだ。セキュリティなど大企業に必要な要件を満たし、プロジェクトは見事成功。
VTEXは、ブランドや小売企業を対象にしたEコマースプラットフォームに成長。ARR(年次ストック収益)の84%が大企業という、エンタープライズ特化型のソリューションだ。

全体顧客数は2,000社以上。アクティブなオンライン店舗数は2,500件を超え、B2C流通額(GMV)が75億ドル(2020年)。前年比135%増という高成長だ。
ネットリテンション率(2020年)は172%と、既存顧客からの増収が牽引。もっとも、2019年は115%と、パンデミックによる追い風を受けた側面が大きい。
利用企業はマクドナルド、ソニー、リーバイス、ネスレ、ロレアル、ユニリーバなど。大企業向けでは少なくとも2.5万ドルのARRがあり、平均は12.7万ドルにものぼる。
2021年1〜3月における売上の56%はブラジルの顧客から。ブラジル以外の中南米地域は同じく34%だ。ラテンアメリカ向けECの代表プラットフォームとして、リーダーシップ拡大を目指す。