2021年06月10日 07:00
中国の生鮮食品EC、上場へ
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生鮮食品や日用品のオンライン販売を手がける「Dingdong」が近くニューヨーク証券取引所へ上場する。ソフトバンクグループやセコイア・キャピタルなどから出資を受ける中国のユニコーン企業だ。

サービス開始は2017年。創業者のChanglin Liangは軍隊で10年間ほど務めた後、数社のコマース関連企業を立ち上げた経験を持つ。掲げる使命は 「生鮮食品が水道水と同じくらい簡単に手に入るようにする」 こと。

Dingdong

Dingdongは、配送エリアごとに「前置倉庫」と呼ばれる小型の配送拠点を設置。注文が入ると近くの拠点に通知が飛び、30分以内で配送を完了する。

約1600社のサプライヤーから商品を調達し、自社で在庫を管理。生鮮食品の75%は農家から直接仕入れ、割安価格での販売を実現する。

注文履歴や顧客特性をもとに、「前置倉庫」ごとの発注量や品揃えをAIが最適化。生鮮食品を仕入れてから売れるまでにかかる日数はわずか2.2日で、廃棄ロスは業界平均より大幅に少ないという。

2020年度、中国における生鮮食品・日用品EC市場の規模は11.1兆元(≒190兆円)だった。2025年度には15.2兆元(≒260兆円)まで拡大する見通し。アリババや拼多多など巨大プレーヤーもひしめく競争の激しい成長市場だ。