成長続くブラジルの決済企業
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「StoneCo」が6月1日、2021年1〜3月期決算を発表した。中小企業向けに決済ソリューションなど金融サービスを提供するブラジルの成長企業だ。
売上高は8.7億レアル(≒190億円)。前年から21%の増加となった。
税引前利益は前年比8%減の2.1億レアル(≒45億円)。今年後半から経済正常化が加速するとみて、マーケティングや営業人材獲得などへの投資を増やした。

総決済高(TPV)は前年比36%増の510億レアル(≒1兆円)。取引活発化に伴って手数料収入は同40%増の3.2億レアル(≒70億円)に拡大、全体をけん引した。
小売店や外食店など向けにSaaS事業も展開。購買管理システムや統合基幹業務システム(ERP)に加え、デリバリーの注文受付を可能にするソリューションの引き合いが増えている。
足元で急成長するのが銀行サービスだ。新規口座開設数は前年比5.4倍の65.8万口座、アクティブ口座数は同5.6倍の23.7万口座に伸長した。
アクティブ顧客数は前年比67%増の85.7万社と過去最高水準だ。決済や銀行サービスなどを合わせて利用するヘビーユーザーの割合は7.7% と、前年(0.4%)から大きく上昇。新規顧客の獲得に加え、既存顧客による利用拡大が進む。
5月24日にはデジタルバンキングサービスを手がける「Banco Inter」に最大25億レアル(≒530億円)の出資をすると発表。同社が抱える1020万人のユーザーにStoneCoの利用事業者を紹介するなどし、相乗効果を狙う。