医師向けLinkedIn
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「医師向けLinkedIn」として知られるDoximityが近く上場する。米国の医師180万人以上が登録し、50の州における登録率は80%を超える。
言うまでもなく、米国でも医師の存在は大きい。約4兆ドルとも言われる医療支出のうち、73%以上の行く先を決定づけるのが他ならぬ医師だ。
知識面で絶え間ないアップデートを要求されるがナレッジベースは分散、時代遅れのテクノロジーも多い。米国の医療産業では、書類の8割がファックスやメールで送られるという。
Doximityは医師向けに特化したプラットフォームを展開。プロフィールを土台にした人的ネットワークから、医療に特化したニュース、電子契約や音声・動画ツールまでを提供する。

売上高は前年比83%増の6,669万ドル。営業利益は2,285万ドルと高収益だ。マーケティング、採用、遠隔医療ソリューションを通じてマネタイズする。
マーケティングソリューションでターゲットとなるのは製薬企業や医療機関。上位20の製薬企業、上位20の病院・医療機関が全てDoximityの顧客である。
2020年初めには大規模な医療機関向けに遠隔医療ソリューションも開始した。音声や動画での通話機能を携え、パンデミック下で150を超える医療機関が契約。
医療機関や製薬企業を対象としたサブスクリプションモデルを標榜し、2021年3月期のネットリテンションレートは153%。市場機会(TAM)は185億ドルを見込む。