2021年05月31日 07:00
伸びるRPO
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クラウドストレージサービスを展開する「Box」が5月27日、2021年2〜4月期決算を発表。売上高は前年比10%増の2億240万ドルとなった。

Boxはある種、株式市場から見放された企業だった。SaaSへの評価が全体として高まる中でも、株価は2018年から2020年までにかけて半減。

今やストレージだけならGoogle Driveをはじめとして数多くの廉価なソリューションがある。こうした中でDropboxと同様、上場以降の成長率が低くなった。

Box RPO

注目したいのは、BoxのRPO(Remaining Performance Obligation)が足元で加速していることだ。RPOは契約済みの未計上収益を表し、いわば受注残のようなものだ。

市場機会と見るのは、センシティブな情報がクラウド上に移っていること。一方、外部システム連携は今まで以上にシームレスな必要がある。

Boxは個人ベースのストレージ共有サービス、Google DriveやDropbox、OneDriveでは十分ではないと名指し。クリティカルなビジネスプロセスをカバーすることはできないと主張する。

スポーツ用品大手のNikeは、プロダクトデザインの資料にBoxを活用。情報流出を防ぎ、売上高にして数百万ドル分のリスク低減につながっているという。