2021年05月31日 07:00
経済再開下で成長加速なるか?
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Boxと並び市場評価が低迷してきたSaaSが「Yext」だ。GoogleマップやFacebook、Yelpなど100超の外部サービスと連携、飲食店など向けに位置情報の一元管理ツールを提供する。

2020年に始まったパンデミックは、Yextにとっては逆風だ。人々が自宅にこもれば、位置情報を最新にアップデートしておく必要性も薄れる。

売上成長率は数年前まで前年比30%増を上回っていたが、足元では一桁台まで減速。時価総額は20億ドルを割ってしまった。

Yext

5月27日に発表された決算では、翌日の株価が18%近く高騰。背景にあるのはワクチン普及にともなう経済活動の再開だ。

売上こそ前年比8%増の9,200万ドルと減速したが、中小企業や代理店経由での販売を除いた顧客数は前年比22%増の2,500社以上に拡大。

注力するのは、企業向けの検索エンジン「Yext Answers」だ。マーケティングや顧客サポート、開発、Eコマース、仕事環境など利用できる幅は広い。

Answers主体の契約締結数は2〜4月に69件。1年前には14件にすぎなかった。企業による一次情報をカバーすることで、次世代型のナレッジグラフを作るのがYextのビジョンだ。

米国では今、多くの企業が「ポストパンデミック」な世界に向けた戦略検討を進める。こうした中、ARR10万ドルを超える企業は570社(前年比19%増)にのぼったとアピールした。