おつり投資アプリ、新規上場へ
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「おつり投資」アプリなどを手がける米Acornsが、特別買収目的会社(SPAC)との合併を通じてナスダックへ上場する。企業価値はおよそ22億ドルとなる見込みだ。
設立は2012年。「投資を身近な存在にする」ことを目指し、Jeffry Cruttendenが父親のWalterと共同で創業した。社名は 「大きな樫の木も小さなどんぐり(Acorns)から育つ」 ということわざに由来する。
株主にはPaypal、ベイン・キャピタル、ブラックロックなど名だたる企業が並ぶ。2016年には楽天も出資した。

Acornsのアプリにクレジットカードなどを紐づけると、買い物の支払いで生じる端数を自動で投資に充てることができる。 例えば9.75ドルの買い物をした場合、キリの良い10ドルとの差額である0.25ドルが投資口座に移る。
投資対象として、株式や債券、不動産などを組み合わせた様々なポートフォリオを用意。ユーザーはリスク許容度などに応じて自由に選択できる。
月額プランは3種類。基本機能だけが使える『Lite』(1ドル/月)のほか、個人年金運用も可能となる『Personal』(3ドル/月)、子供名義の口座でも運用できる『Family』(5ドル/月)がある。
まとまった資金がなくても気軽に投資を始められるとして若年層に好評。月額会員数は足元で400万人を突破、このうち35歳以下が62%を占める。 月あたりの解約率は1.3%だ。
アメリカのミレニアル世代のうち、投資ではなく預金を選ぶ割合は7割にのぼる。金融サービスを受けられていない世帯年収10万ドル以下の成人は2.2億人以上も存在するといい、「市場余地は広大」 とみる。