国際送金のマルチ・バーティカル戦略
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国際決済に特化したソリューションを提供する「Flywire」が近くナスダックに上場する。
提供するのは「次世代の国際送金基盤」。既存のソリューションはいわゆる「既製品」型のアプローチをとり、多くの事業者が自前でコストをかけて自身の決済基盤を構築する必要があった。
Flywireでは、業界ごとにきめ細やかなグローバル決済ネットワークを構築。AlipayやBoleto、PayPal、Venmo、Trustlyといった決済手段にも対応。世界のどこからどの通貨で請求書を受け取っても、シームレスな送金が可能とする。
2020年の決済総額は75億ドルにのぼり、2021年1〜3月期には29億ドル。既存顧客からのアップセル動向を表すネットリテンション率は128%(2019年)と高かったが、2020年は100%に低下した。
2020年2月にはヘルスケア領域に特化する「Simplee」を買収。「マルチ・バーティカル」と呼ぶ複数市場への同時展開戦略を加速した。
市場機会は大きく、現在のソリューションだけで年で1.7兆ドルのアップサイドを見込む。これまでは小売やEコマースが牽引してきたが、今後は教育(6,600億ドル)、ヘルスケア(5,000億ドル)、旅行(5,300億ドル)などが拡大するという。
さらに大きな拡大を見込むのが、B2B需要だ。決済高の成長余地は10兆ドルにのぼるとし、これらの市場について一定のシェア獲得を目指す。