2021年05月21日 07:00
ヴィーガンミルク、新規上場
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Shutterstock

ヴィーガン向けの植物性ミルクなどを手がけるOatly Groupがナスダックに上場した。株主にはブラックストーンや女優のナタリー・ポートマン、ラッパーのJay-Zなどが並ぶ。

食品化学の研究者Rickard Östeらが1994年にスウェーデンで創業。元は牛乳に含まれる「乳糖」について研究するルンド大学のプロジェクトだった。

Oatly

原料にはオーツ麦を使用。主力であるミルクのほか、ヨーグルトやアイスクリームなどの製造販売も手がける。

アピールするのは環境への優しさだ。生産による温室効果ガスの排出量は、牛乳と比べて80%ほど少ないという。 環境意識の高いミレニアル・Z世代を中心に人気を集める。

ヨーロッパで地盤を固め、2017年にはアメリカ、2018年には中国へ進出。足元では約6万店の小売店と約3万2200店のカフェがOatly製品を取り扱う。 Amazonやアリババの「Tmall」、英ネットスーパー「Ocado」にも出店、ネット通販にも対応する。

2020年度の売上高は前年比2.1倍の4.2億ドル。営業損益は4709万ドルの赤字だった。2020年1〜3月期以降、全ての四半期で赤字だ。

エシカル消費の浸透が進み、市場環境は良好。Consumer Insightsによると、植物性ミルクの市場規模は向こう3年間で20〜25%拡大する見通しだ。 潜在市場(TAM)は最大6000億ドルと会社は試算する。