オフプライス業態とは
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アパレル・家具などを割安価格で販売する「TJX」がコロナ前の業績を超えた。 2021年2〜4月期の売上高は2年前と比べ8.7%増の101億ドル。
『T.J. Maxx』『Marshalls』『HomeGoods』などの小売店を運営。米国やカナダ、イギリスなど世界9カ国に4600店舗超を構える。
足元でも300店舗が臨時休業中。今四半期では11〜12億ドルもの減収要因となった。アーニー・ハーマンCEOは「それにもかかわらず記録的な売上を確保できた」とアピールする。

手がけるのは 「オフプライス」 と呼ばれる業態だ。売れ残った在庫を仕入れ、小売価格から20〜60%ほど割り引いて販売。メーカーの過剰生産、店舗閉鎖や移転、季節ごとの商品入れ替えなど「幅広い機会をうまく活用」している。
肝は商品の目利きだ。世界12カ国に1100人以上の専属バイヤーを抱え、提携ベンダー数は2万1000社超。 どんな市場からも常に「機動的に仕入れ」られる体制が強みだ。
コロナ禍では小売事業者の店舗閉鎖が相次いだ。TJXにとっては「より魅力的な商品を安く手に入れられる絶好の機会」(ハーマンCEO)となる。
割安なブランド品を発掘する「宝探し感」も魅力の1つ。ECシフトが進む中でも「代替されることはないだろう」 と自信を見せる。