2021年05月13日 07:00
人口の3割がアクティブ顧客
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韓国のインターネット通販大手「Coupang(クーパン)」が5月12日、2021年1〜3月期決算を発表した。今年3月にニューヨーク証券取引所へ上場して以来、初の決算となる。

直販型のEC事業を手がけ、「韓国版Amazon」とも呼ばれる。ミッションは 「クーパンなしでどうやって生きればいい?」 と思ってもらえる世界を作ること。

売上高は前年比74.3%増の42億ドル。年末商戦のあった前四半期比でも10.6%の増収を確保。営業赤字は2.7億ドルに拡大した。

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今四半期に1度でも買い物をしたアクティブ顧客数は前年比20.8%増の1604万人。韓国人口の3割にのぼる規模だ。 新規顧客の獲得と既存顧客の定着が進んだ。

1人あたりの売上高も同44%増の262ドルに拡大。顧客が様々なサービスを利用するようになり、購入頻度も上昇している。

顧客を魅了するのは、配送のスピード。「クーパンマン」の愛称で知られる配達員を自社で直接雇用し、韓国各地に物流網を整備。深夜12時以前の注文であれば翌朝7時までに届ける 夜明け配送(Dawn Delivery)」 を提供する。

75%以上の商品は段ボールなどに詰めずに配送、開封やゴミ処理の手間を省く。返品したい場合はアプリでボタンを押すと、ドアの前に置くだけで配達員が回収に来てくれる。2019年にはフードデリバリー「Coupang Eats」、2020年には動画配信サービス「Coupang Play」を始めた。

競争環境は熾烈だ。今年3月、ECも手がける韓国ネット大手NAVERが、小売大手のイーマートと資本業務提携を締結。クーパンにはないリアル店舗を活用した物流網を整え、生鮮食品分野を強化する。