2021年05月06日 07:00
減り続ける出生数
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日本で少子化が叫ばれて久しいが、同様のトレンドは米国にも出ている。

CDCが開示した統計によると、2020年に米国で産まれた新生児は360万5,201人で、2019年と比べて4%ほどの減少だった。

この数字は2014年の増加以来、6年連続での減少。絶対数としても1979年以来の低水準。出生率も15〜44歳の女性1,000人あたり55.8人で、やはり前年比4%の減少だった。

米国における合計特殊出生率

特筆すべきは、米国における出生率が2007年を直近のピークとして、金融危機を境目に下降に転じていることだ。合計特殊出生率(Total fertility rate)は1.64人と、1930年代に計測を開始して以来最低水準になった。

注目されるのは、新型コロナ拡大が与える影響だ。パンデミックが本格化したのは3月以降のため、2020年の統計には十分反映されているとは言えない。

一般に、経済が悪化するほど出生数は減少するといわれる。コロナ禍が与えた社会的影響の大きさを考えれば、2021年に新生児が増える可能性は低い。

通常は経済の回復とともに出生数はリバウンドに転じるが、2019年までほぼ一貫して下がり続けたのも懸念としては大きい。2020年に出生率の減少が特に大きかったのは、10代後半から20代前半にかけての女性である。