DiDiじゃないよ
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中国でライドシェア事業を展開する「Dida」が香港証券取引所に近く上場する。NIO CapitalやJD.com等から出資を受けている。
設立は2014年で、運転手と相乗り希望者(ライダー)のマッチングプラットフォームを提供。ライダーは目的地や乗車人数などに応じた運賃をDidaに前払いする。Didaは受け取った運賃の一部を手数料として徴収し、残りは運転手に支払われる。
Didaは車を所有せず、メンテナンス費用も負担しない。そのため低価格でのサービス提供が可能となっている。
2020年通期売上高は前年比36%増の7.9億元(≒132億円) 。売上の89%を相乗り事業が占める。税引前損失は22.2億元(≒370億円) だった。

中国でライドシェアといえば「DiDi」がまず思い浮かぶが、相乗りサービスに関してはDidaがシェア66.5%でトップだ。
DiDiは2018年に相乗りサービスの運転手が利用者を殺害する事件が2件発生、相乗りサービスの停止に追い込まれた。競合が抜けてDidaのシェアは拡大、2019年に国内トップに躍り出た。
相乗り文化の浸透とともに、中国の相乗り市場は2025年には1,139億元(≒1.9兆円、現在の約7倍)まで拡大するという。Didaはマーケットリーダーとしての地位を確めつつ、買収・提携を含めた収益多様化を図る。