2021年04月02日 07:00
Appleが出資する音楽ベンチャー
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音楽作品の流通プラットフォームを手がける「UnitedMasters」がシリーズBで5,000万ドルを調達した。リード投資家は、なんとAppleだ。

創業者のスティーブ・スタウト(Steve Stoute)氏は、ソニーミュージックなどで幹部を務めた人物。アーティストが作品をリリースできるプラットフォームを提供する。

レコード会社は長年、アーティストの発掘から育成、マーケティングといったプロデュース業を営んできた。その代わり、アーティストはマスターテープに関する権利を手放す。

この伝統的モデルは、現代のアーティストにとって本当に良いものだろうか? UnitedMastersの答えは「No」である。

ラリー・ペイジは元ドラマー

UnitedMastersは2017年にローンチ。シリーズAではAlphabetやアンドリーセン・ホロウィッツから7,000万ドルを調達。それ以来、100万人を超えるアーティストが参加した。

今回の出資により、AppleとUnitedMastersは提携関係となる。評価額は3.5億ドル。目指すのは、独立したアーティストが平等に売れる機会を持てる世界だ。

過去にはNBAやESPN、TikTokやTwitchと提携。UnitedMasterを利用することで、これらの媒体に自らの作品を広く提供するチャンスがある。

何より重要なのは、データや楽曲の権限を自ら保持できることだ。UnitedMastersを利用するのは、アーティスト一人一人が「CTO」を持つようなものだとする。