2021年03月20日 08:00
現金はゴミ。債券も?
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GettyImages

世界有数のヘッジファンド「ブリッジウォーター・アソシエイツ」創業者のレイ・ダリオが16日、LinkedInに新たな記事を投稿。

タイトルは「バカバカしいほどの低金利時代に一体なぜ債券を所有するのか?」というもの。「債券投資の経済性はアホらしい」と強い語気で説明した。

ダリオは以前「現金はゴミだ」と発言。今回もその見立てを変えてはおらず、債券と比べてなお悪いとまで言っている。

曰く「これほど低い利回りでは、年金基金や保険会社など多くの機関投資家が必要水準を満たせない」。先日のウォーレン・バフェットによる年次報告書にあったのと同様の指摘だ。

中でも「米国債券」に比重が寄り過ぎているとダリオは言う。一方で中国債券は国際的に6%しか保有されていない。ここに大きなシフトが起こりつつあるという。

一方、先進各国は資金を必要としており、国債の供給が需要を大きく上回ってしまうかもしれない。そうなれば債券価格は下がり、金利は上昇する。

中央銀行は大量の紙幣を刷って、自由市場では需要がない債券を購入する。現在の債券保有者たちが一斉に債券を売り出したら何が起こるだろうか?

これがニュー・パラダイム

ダリオは、自身の理論でいう「大きなデットサイクル」の終末期にあると見る。現金を持つくらいなら借りて、債券以外の資産に投資した方がいいとまで言い切る。

こうした動きを政策立案者たちが好むはずはない。税制が強化されれば、巨大資本は国外に流出し、「より快適な」場所を求める。

これこそが「新たなパラダイム」だと、ダリオは言う。中国を含んだアジア市場を、先進国市場はアンダーパフォームするだろうとも。