旅行の計画をAIに相談する人が増えれば、予約サイトは飛ばされて要らなくなる。投資家の間にはそんな不安があります。ところが旅行予約サイト「Booking.com」を運営するBooking Holdingsの足元では、逆のことが起きています。
2026年7〜9月期の決算説明会では、質問の大半がAIに集まりました。経営陣が示したのは、AI経由の予約がごくわずかにとどまる現実と、同社の宿泊を支える意外な顔ぶれです。AIが実際に効いていたのは、別の場所でした。
決算説明会でグレン・フォーゲルCEOは、AIで旅を調べる人が多いことを認めたうえで「多くの予約にはつながっていません」と述べました。ChatGPTのような対話AIから来た客による宿泊は、Booking.com全体の1%を大きく下回ります。調べる場所と買う場所は、まだ別々です。
この発言は、あるアナリストの質問への答えでした。AIエージェント上の買い物は旅行に偏っているというデータがある、と尋ねられた場面です。フォーゲルCEOは同じデータを見ていると応じ、旅の下調べはいつでも楽しいものだと説明しました。AIが旅の入口になるという見立てに、足元の実績は追いついていません。