AIと言えばGPU、という常識に、Intelが真っ向から異を唱えました。2026年7〜9月期の決算説明会で、リップブー・タンCEOは「GPUは考え、CPUは探す」と言い切り、サーバー向けCPU市場が5年で5倍になるとの見立てを示しました。GPU一強と見られてきたAIインフラの中で、古参のCPUがなぜ主役に戻るのでしょうか。
一方で、同じ説明会ではPC市場の急減速も語られました。原因はPCそのものではなく、AIが奪っていくメモリです。AI需要がCPUを呼び戻し、同時にPCを冷やす。その両面を、Intelは生産ラインの付け替えという現場の判断で乗り切ろうとしています。
AIエージェントの仕事の大半は、実は「考える」ことではなく「探す」ことです。タンCEOは「GPUは『考える』タスクに優れるが、決定論的なCPUは『探す』タスクではるかに効率的だ」と述べました。エージェントが情報を集め、処理の段取りを組む工程は、GPUに回すと電力の無駄が大きい。その役割がCPUに戻ることで、サーバー向けCPU市場は5年で400億ドルから2000億ドル超へ膨らむ、というのがIntelの読みです。
根拠は電力です。タンCEOによれば、GPUでの推論クエリは数ワット時の電力を使うことがある一方、CPUの1クエリは数ジュールで済みます(1ワット時は3600ジュール)。AIインフラの建設では、いまや電力効率が最重要の指標になりつつあります。桁がいくつも違う以上、「探す」仕事をGPUにやらせ続ける理由はない、という理屈です。