ASML、7〜9月期の売上高が過去最高に 増産しても届かないAI需要

ASML Holding N.V.

ASMLは、回路パターンをシリコンウエハーに焼き付ける「露光装置」のメーカーです。最も微細な回路を描けるEUV(極端紫外線)露光装置は、世界で同社しか量産できません。TSMCやサムスン電子、インテルといった大手が、ASMLの装置で先端品を生産しています。

同社には、2029年や2030年に納める装置の発注の打診まで届いています。10月14日に発表した2026年7〜9月期決算では、売上高が117億ユーロと過去最高を更新しました。

顧客は、少なくとも2028年まで半導体の供給不足が続くと見ています。ASMLは2027年に生産能力を3割増やす計画ですが、2027年と2028年はそれでも需要に届かない見通しです。同社は主力製品の値上げでも顧客と合意しました。

メモリー向けは前年比75%増へ

ASMLの2026年7〜9月期の売上高は117億ユーロ。そのうち装置売上高は84億ユーロで、EUV露光装置が41億ユーロ、EUV以外が43億ユーロです。EUVには次世代機「High NA EUV」1台の売上が含まれます。装置売上の用途別の内訳は、ロジック半導体が54%、メモリーが46%でした。

保守や既存装置の性能向上を担う「インストールドベース・マネジメント」の売上高は33億ユーロで、会社予想を約4億ユーロ上回りました。ロジャー・ダッセンCFOは、EUVとDUV(深紫外線)の両方で生産性を高めるアップグレード製品の需要が強かったと説明。中でも利益率の高い製品が寄与し、粗利率は57.5%と会社予想を上回りました。

純利益は50億ユーロで、出資先のフランスのAI企業ミストラルAIの評価益約5億ユーロを含みます。フリーキャッシュフローは、顧客からの前受金に支えられ114億ユーロとなりました。

2026年10〜12月期の売上高は142億〜152億ユーロ、粗利率は約57%の見通しです。粗利率が7〜9月期を下回るのは、増産に向けた立ち上げ費用がかさむためです。2026年12月期の売上高は440億〜450億ユーロと、前年比約36%増を見込みます。

分野別では、EUVが45%超、EUV以外の装置が約20%、インストールドベース・マネジメントが約50%伸びる見通しです。地域別では中国が売上高の約20%を占め、ダッセンCFOは2027年以降も中国の需要は強いとの見方を示しました。

2026年12月期の装置売上高は、ロジック向けが前年比約10%増、メモリー向けが約75%増となる見通し。メモリーの伸びは、顧客の生産能力の拡大と、先端DRAMでのEUV採用の広がりによるものです。ロジックのうち先端品に限ると、25%超の伸びを見込みます。ダッセンCFOは、2027年もロジックがメモリーを上回ると述べました。クリストフ・フーケCEOは、AI向けの半導体を供給するにはロジックとメモリーの両方が欠かせないと説明しました。

顧客は「少なくとも2028年まで供給不足」と判断

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