「メモリはもうコモディティではない」サンディスクが語るメモリ市場の未来

Sandisk Corporation

「なぜこの仕事を引き受けるのか。この業界が一度も儲けたことがないとわかっているのか」。米サンディスクのデビッド・ゴッケラーCEOは、2025年2月に同社がウエスタンデジタルから分離して上場した際、市場関係者からこう問われたといいます。

サンディスクは、データを保存するNAND型フラッシュメモリの大手です。NANDの技術開発から製造、SSDなどの製品化、販売までを一貫して手がけます。NANDはこれまで、好不況の波が激しい「コモディティ(汎用品)」とみなされてきました。

分離直後の2025年1〜3月期、同社の売上高は17億ドルで、非GAAPの1株損益は0.30ドルの赤字でした。1年余りたった2026年4〜6月期には、売上高が約90億ドルに増え、非GAAPの粗利率は84.6%、1株利益は39.25ドルに達しました。2026年6月期通期の売上高は、前年比175%増の200億ドルです。

サンディスクは8月13日、投資家向け説明会「インベスター・デー」を開催。ゴッケラーCEOは「ようやく本当の価値創造のスタートラインに立った」と語りました。

メモリはもうコモディティではない?

NAND型フラッシュの市場規模は、これまで平均600億ドル前後で、200億ドル単位の好不況を繰り返してきました。出荷量が増えても単価の下落に相殺され、売上高の伸びは年4%程度でした。サンディスクは、この市場が2026年に3000億ドルを超え、前年の3倍以上になると想定。2027年には5000億ドル近くに達すると言います。ただし、この数字は中国市場を含んでいます。

需要の中身も大きく変わりました。同社の推計では、フラッシュの総出荷量は2026年に1.2ゼタバイトに到達。ビットベースでみたデータセンター向けの比率は、2020年代初めの20%から、2025年に30%、2026年に50%へと高まります。2026年には、データセンターがスマートフォンやPCなどの「エッジ」を抜き、最大の用途になります。

エッジ市場は、台数が減っても売上高が伸びると言います。同社はPCとスマートフォンの出荷台数が前年比で10%台半ば減ると予想。減少分はすべて低価格帯の機種だとみています。低価格帯のスマートフォンは、2026年に2億台以上減る見込みです。

メモリ価格の高騰を背景に500ドル未満のPCが2028年までに消える可能性がある。調査会社ガートナーによる、そのような見方も紹介しました。デル、HP、レノボのPC部門とアップルの売上高は、直近の決算で前年比13〜24%拡大。メーカーは高価格帯への移行を進めています。

ゴッケラーCEOは、NANDを「コモディティ」とみる見方に反論しました。「ただのメモリだ、コモディティだ」という声には「それなら自分でやってみればいい」と応じます。25年にわたって年に数億ドルを技術者に投じてきた蓄積を強調しました。

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