EMCOR Group(EME)は、米コネチカット州ノーウォークに本社を置く電気・機械設備工事の大手です。約100の事業子会社と約4万4000人の従業員を抱え、データセンターや病院、工場、製油所などで電気・空調・配管設備の施工と保守を手がけます。
その前身は、1993年末に破綻したコングリマリット企業。その後の再建プロセスでは数十社を売却し、事業を電気・機械設備工事に絞り込みました。2025年12月期の売上高は169.9億ドルにまで膨らみ、AIブームの追い風を受けながら事業を拡大しています。

2026年4〜6月期は売上高が前年比19.8%増の51.5億ドル、受注残が前年比43.9%増の171.4億ドルと、いずれも過去最高を記録しました。2026年12月期の売上高予想は200億〜205億ドルへ引き上げ、電気工事会社5社の買収も進めています。一方で経営陣は、電力供給の制約や契約形態の変化が今後の収益を左右しうるとの認識も示しています。
EMCORの前身は、水道事業を祖業とするジャマイカ・ウォーター・プロパティーズ(JWP)。1986〜1992年にかけて100社超を買収し、設備工事からコンピューター販売まで事業を広げました。しかし1993年末には買収の消化不良と重い債務に苦しみ、連邦破産法11条を適用。高すぎる買収価格と過大な債務などが破綻を招きました。
その後は、祖業の水道事業やコンピューター販売事業を含む数十社を売却しています。残った電気・機械設備工事と施設関連の会社群をEMCOR Groupと改称し、同年12月に破産手続きから脱しました。当時のCEOは、売掛金が資産の大半を占めるサービス企業の再建は「極めて迅速に進めるか、やらないかのどちらか」だったと振り返っています。