オートゾーン(NYSE:AZO)は、米テネシー州メンフィスに本社を置く自動車補修部品の小売大手です。1979年に初日の売上高が約300ドルだった1号店から始まり、2026年8月期末には米国、メキシコ、ブラジルで計8031店を展開しています。
個人客と整備工場の双方に部品を売りますが、修理作業そのものでは収益を得ていません。2026年8月期の売上高は前年比7.4%増の203億ドルとなり、初めて200億ドルを超えました。

2026年9月22日に発表した2026年5〜8月期決算は、1株利益が前年比15.1%増の56.05ドル。利益を支えたのは関税の還付金9600万ドルで、国内DIY客の既存店売上高は0.6%減と前年を下回りました。フィル・ダニエルCEOは期末にかけて売上が持ち直したと説明。2027年8月期も約400店の出店を続ける計画です。
オートゾーンの前身「オートシャック」の1号店は、1979年7月4日にアーカンソー州フォレストシティで開業。創業者のJ・R・ピット・ハイド3世は、祖父が興したメンフィスの食品卸マローン・アンド・ハイドの経営者で、車には詳しくありませんでした。
参入のきっかけは、本業の同業買収を連邦取引委員会(FTC)に阻まれたこと。新たな成長先を探していたところ、自動車部品は食品ほど価格に敏感ではないと目をつけました。手本にしたのは、ハイド氏自身が取締役を務めていたウォルマートです。
毎日低価格を掲げる戦略に加え、社員が顧客第一を唱和する掛け声もウォルマート流を取り入れたとみられます。出店は急速に進み、1983年には開業からわずか4年で100店に到達。競合は店のレイアウトや価格は真似できても、企業文化は真似できなかったと言います。
1986年に親会社から独立し、自社ブランド「デュララスト」の販売を開始。同じ年に、一度しか使わない専用工具を無料で貸し出す「ローン・ア・ツール」も始まりました。初代店長が掲げた「仕事を正しくこなすのに必要なものを、過不足なく」という考え方は、社内の行動指針として受け継がれています。