2年前、アポロ計画以来となる米国の月面着陸で世界の注目を集めたIntuitive Machines(宇宙探査企業)。しかし2026年4〜6月期の決算説明会の主役は、着陸船ではなく生産ラインと通信網でした。売上高は前年同期の4倍超となる2.06億ドルに達し、会社の姿そのものが変わり始めています。
スティーブ・アルテマスCEOは「月着陸は究極の目的地ではなく、次世代スペースプライムを築くための土台だった」と述べ、過去18カ月の買収や投資のすべてがこの構想に向けられてきたと説明しました。宇宙機を作り、つなぎ、運用する——3層のインフラ企業への転換です。
受注残は過去最高の18億ドルに拡大しました。その内訳は民生・商業・安全保障の3市場に分散し、商業向けがほぼ半分を占めます。かつてNASAの月面輸送に軸足を置いた事業の重心は、静かに、しかし大きく動いています。四半期の新規受注も同社史上最高の水準となりました。
では、月に2度降り立った会社は、なぜ「着陸」をゴールと語らなくなったのか。手がかりは、衛星の量産ライン、月を覆う通信網の設計図、そして赤字覚悟の先行投資にあります。説明会で明かされた変貌の中身をたどります。