「打倒GPU」を掲げてきた企業が、そのGPU陣営と手を組む——。AI半導体の世界で、少し不思議な提携が動き出しました。世界最速のAI推論をうたうCerebrasが、ライバルのチップを自社システムの「相棒」に据える構想を打ち出したのです。
背景には、AI推論につきまとう構造的なジレンマがあります。1人のユーザーにどれだけ速く答えを返せるかと、同時にどれだけ多くの処理をさばけるか。この2つはチップの設計思想の段階で両立が難しく、各社の得意領域を隔てる壁になってきました。
2026年4〜6月期の中核売上高は約2.1億ドルと前年同期から倍増し、会社計画を全項目で上回りました。それでも決算説明会の主役は足元の業績ではありません。話題の中心は、254億ドルという桁違いの受注残と、その消化の道筋にありました。契約済みで未計上のこの金額は、年間の売上高見通しをはるかに上回ります。

積み上がった注文をさばく鍵が、なぜライバルとの「分業」なのか。速さの看板を下ろさないまま、処理量をどう積み増すのか。アンドリュー・フェルドマンCEOの説明は、推論という仕事の解剖から始まりました。