データベンダーのIHS Markit  高い営業キャッシュ・フローマージンをキープ

IHS Markit Ltd.

MarkitはBloomberg、ロイター、FactSetなどと同じように金融情報データサービスを提供する会社です。2003年に設立され、2014年に米国ナスダックに上場しています。創業当時はロンドン郊外で、CDS(クレジットディフォルトスワップ)の日々の価格データなどを提供しており、2007年のモーゲージローン危機の時に金融デリバティブデータの需要がかなり伸びたようです。当時はイギリスのトップクラスのスタートアップと言われていました。2016年にはIHSに買収されています。IHS自体もナスダックに上場しておりMarkitの顧客には投資銀行、中央銀行、ヘッジファンド、金融当局など5万を超えるクライアントが存在します。

Bloombergの端末には金融機関のトレーダーやアナリスト同士が情報交換するチャット機能があり、業界で殆どの人が利用する便利な機能でした。しかし、2013年にBloombergのニュース記者がこのメッセージング機能を覗き込んでいるなどのプライバシースキャンダルで金融機関からの不振を抱いた過去があります。Marktitにはバンカメ、GS、モルスタ、 シティー, バークレース, クレディ・スイス, ドイチェ, HSBC, BNPパリバ, RBSなど名だたる金融機関が株主としてMarkitをサポートしていました。

IHSMarkitの業績

Markitの売上は年平均成長率で8.4%と勢いよく伸びており、現在1000億円規模の売上を出しています。

出所:Annual Report (単位:$M)


営業キャッシュ・フローはきちんと純利益を上回っています。                                       

出所:Annual Report (単位:$M) 

                                       

営業キャッシュフローマージンは40%近くあり、かなり高い水準を保っています。

出所:Annual Report