Visaは2026年7月28日、2026年4〜6月期の決算を発表しました。売上高は前年比14%増の116億ドル、EPSは同11%増の3.32ドルで、いずれも市場予想を上回りました。四半期の決済取扱高は恒常為替ベースで前年比10%増となり、Visa史上初めて4兆ドルを突破しています。
好調の一因として経営陣が言及したのがFIFAワールドカップです。クリストファー・スーCFOは、6月11日の開幕から6月30日までの影響に言及。米国の開催都市では試合日の対面取引が最大20%増加し、ボストンでは交通機関のタッチ決済が50%以上伸びたといいます。カンザスシティに至っては、試合日の越境対面取引が前年比1000%増を記録しました。

インバウンド消費への波及も明確です。開催都市への越境対面支出は6月11日から30日にかけて前年比25%近く増加し、牽引したのはノルウェー、ウルグアイ、エクアドルからのファンでした。開催国は米国だけではありません。メキシコとカナダのインバウンド越境対面取引も、対戦国からのファンによってそれぞれ70%超、35%増加しています。
カード決済データが、国際イベントの経済効果をほぼリアルタイムで捉えている構図です。Visaはこのデータを自社のマーケティング事業にも転用。過去12カ月で240を超える顧客に300件以上のFIFA関連施策を提供し、ブラジルのある銀行のキャンペーンでは100万人の参加者と4億ドルの増分取扱高を生み出しました。決済ネットワークの副産物だったデータが、収益源として存在感を増しています。