AIブームは「ガス田」まで届いた──EQTがガスを電力価格で売り始めた

EQT Corporation

EQTが2026年4〜6月期の決算を発表しました。米国最大級の天然ガス生産会社である同社は、ガス価格の低迷が続く中でも会社計画を上回る業績を残しています。ただ、今回の決算で目を引くのは数字だけではありません。掘ったガスを「ガスの値段」で売らないという、商売の根幹に関わる動きです。

トビー・ライスCEOは今回の四半期を「統合プラットフォームの価値を示す、もう一つの力強い証明だ」と総括しました。掘削から輸送までを自社で束ねる体制が、コスト削減の手段にとどまらず、顧客ごとに契約を設計する自由度という武器に変わりつつあります。

打ち手は一つではありません。同じ四半期に、貯蔵事業の買収、アジアのエネルギー大手と結んだLNGの長期契約、パイプライン建設の前倒しと、川上から川下まで発表が相次ぎました。背後にあるのは、AIデータセンターの拡大がエネルギーの需給地図を塗り替えつつあるという地殻変動です。

なぜガス会社が電気の値段に賭けるのか。そして、これほどの追い風を前に、なぜ増産を急がないのか。二つの問いの先に、AI時代のエネルギー企業の新しい稼ぎ方が浮かび上がります。

ガス相場と縁を切った10年契約

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