Concentrixが2026年3〜5月期決算を発表しました。同社は、企業の顧客対応を世界規模で請け負う会社です。AIのチャットボットが普及すれば、人の手による問い合わせ対応は真っ先に置き換わる——そう考えるのが自然でしょう。ところが決算の数字は、その予想をなぞりませんでした。
鍵は、顧客がAIを入れた「あと」に起きていることです。複数のAIを別々の用途で導入した現場は、つながりを欠いたまま入り組んでいきます。誰かがそれを束ね、回し続けなければなりません。AIは仕事を消すより先に、新しい手間を生んでいます。
もっとも、決算の表面は地味でした。売上の伸びは、為替の影響を除けばわずかでした。一方で1株あたりの利益は2.63ドル、手元に残る現金(フリーキャッシュフロー)は2.42億ドルと、第2四半期として2020年の独立以来で最も多くなりました。売上は静かなのに、経営陣の口ぶりは終始強気だったのです。

地味な売上と、強気な経営陣。この食い違いはどこから来るのか。「AIに置き換えられる側」と見なされてきた会社が、いま何を売り、どこで稼ごうとしているのか。答えは、静かな数字の奥にありました。