McGraw Hill——「AIに潰されるか」と聞くのは、投資家ばかりだった

McGraw Hillが2026年3月期通期決算を発表しました。小学校から大学、医療教育まで、幅広い教育機関に教材を届ける教育出版の大手です。この業種は生成AIに最も脅かされる側と見られてきましたが、当事者が決算の場で示したのは脅威論への静かな反論でした。売上高は21億ドル(約3,000億円)と、市場予想の上限を上回っています。

新たに就任したフィリップ・モイヤーCEOは、決算の場で「我々は人間の知性を育てている」と述べました。AIの進化と世界の不確実性が同時に進むいまこそ、教育の重要性はかつてなく高まっていると強調します。クラウドや動画配信の世界を渡り歩いた、異色の経歴を持つ人物です。

事業の柱は、紙の教科書にとどまりません。デジタル教材やAI学習ツールへ軸足を移し、継続課金型の収益が全体の7割超を占めるようになりました。直近の四半期では、大学向けの事業が40四半期連続でシェアを伸ばしています。安定した足場の上で、同社は次の一手を仕掛けています。

AIに最も弱いと見られた業種が、なぜ崩れないのか。それどころか、なぜ攻めに転じることができるのか。決算の場でモイヤーCEOが語ったのは、世間の常識とは正反対の現実でした。教科書会社は、これからどこで稼ぐようになるのでしょうか。

不安なのは投資家、現場は動じない

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