Marvellが発表した2026年2〜4月期決算は、AIブームの「主役」をめぐる見方に一石を投じる内容でした。同社はNVIDIAと同じAI向け半導体を手がけますが、作るのは計算を担うGPUではなく、機器どうしをつなぐ配線や通信の部品です。売上は前年比28%増と過去最高を更新し、AIの計算ばかりが語られる陰で、データを運ぶ裏方が急成長していることが浮かび上がりました。
マシュー・マーフィーCEOは、AIインフラが新しい世代に進むたびに、機器をつなぐネットワークの重要性が増していると説明しました。AIの初期は計算する力をいかに高めるかが焦点でした。しかし問われる役割が、計算そのものから、膨大なデータをいかに速く運ぶかへと移りつつあるという見方です。
象徴的なのが、計算用の半導体で圧倒的なNVIDIAが、つなぐ部品の領域でMarvellに出資し、提携を広げたことです。しかも同社の業績は、規模が大きくなるほど成長が鈍るという定石とは逆の動きを見せています。AI投資の拡大を追い風に、勢いはむしろ増しているようにも映ります。
計算の覇者は、なぜライバルにもなり得る相手と手を組んだのでしょうか。すでに巨大な事業が、さらに加速する原動力はどこにあるのでしょうか。AIの主役が本当にGPUなのかという問いの答えは、同社が運ぶ「配線」の先に見えてきます。
