自動運転車向けセンサー大手のHesaiが発表した2026年1〜3月期決算は、売上が前年比30%増と加速しました。同社の主力商品LiDARは光を使って周囲を3次元で把握するセンサーで、カメラと並ぶ自動運転車の「目」にあたります。世界の自動車市場が需要減速に揺れる中での成長で、業界首位の地位をさらに固めました。GAAPベース純利益も4四半期連続の黒字を維持しています。
イーファン・リーCEOは決算説明会の冒頭で、2026年を「変革の章」と位置づけました。「我々は空間認識から空間知能へと戦略的に転換する」と述べ、LiDAR事業の枠を超えた新領域への進出を予告しています。決算セグメントもこれに合わせて2本立てに再編しました。世界首位の頂点で打ち出された一手に、業界の関心が集まっています。
事業の広がりは具体的な形で現れています。先の北京モーターショーでは、24ブランド56車種にHesai製LiDARが搭載されていました。中国スマホメーカーHonorのヒューマノイドロボットには小型LiDARが組み込まれ、世界初の人型ロボット・ハーフマラソンで人間の世界記録を上回る走破を記録しています。
LiDARで世界一を取った会社が、その頂点で「目」だけでなく「脳」と「筋肉」を売る会社へと姿を変えようとしています。世界の自動車メーカーが続々と中国製センサーを採用し始めた構図の先に、何が見えているのでしょうか。