工場やデータセンター向けに産業用ラベルや識別機器を手がけるBradyが発表した2026年2〜4月期決算は、調整後EPSが過去最高を更新しました。米州・アジアと欧州・豪州の両地域で増収増益を達成し、通期ガイダンスも上方修正しています。

業績の追い風となっているのは、データセンター向け事業の急成長です。サーバーラックから伸びる無数のケーブルに巻く識別タグや、配電盤に貼る安全表示などを扱う事業が、AI関連投資の波を背景に大きく伸びました。一方で、AI関連需要には過剰投資論やバブル懸念もつきまといます。ラッセル・シャラーCEOはこの点について、決算電話会議で独自の見方を語りました。
注目されたのは業績の好調だけではありません。決算電話会議で粗利率の見通しを問われたシャラーCEOは、「我々は粗利率を目標にしたことは一度もない」と踏み込んだ発言を見せました。値上げによる利益率改善を競う企業が多い時代に、Bradyは独自の経営姿勢を貫いています。
同社は2026年4月、ハネウェルからの大型事業買収を発表しています。買収後の対象市場は倍以上に広がる見通しですが、直近では取締役2名の辞任を受けて株価が10%下落する場面もありました。40年連続増配を続けてきた「地味な優良株」の足元で、いま何が起きているのでしょうか。