中国のテック大手が一斉にAI事業を強化する中で、Baiduは独自の立ち位置を掴んでいます。検索最大手として広告収入で稼いできた一方、AIモデル「ERNIE」、自動運転「Apollo Go」、自社開発AIチップ「Kunlunxin」と、AI関連の技術スタックを早い時期から積み上げてきました。
こうした投資が業績に結実するには、想定以上の時間がかかってきました。生成AIブームの恩恵を最も早く受けるはずだった同社の売上は、ここ数四半期にわたって減収や横ばいが継続。市場ではBaiduのAI事業に対する評価が揺れる時期が続いていたのが実情です。

2026年1〜3月期の決算は、そうした評価を見直す材料となる内容でした。複数の事業領域で、市場の予想を上回る勢いが同時に確認されたためです。決算電話会議では、経営陣の口調にもこれまでとは違う手応えがにじみました。
背景にあるのは、中国国内でAI需要そのものの質が変わってきていることです。学習中心から推論中心へ、概念実証から本番運用へ、国内中心からグローバル展開へ。同社の足元の数字には、こうした地殻変動が反映され始めています。