中南米のデジタル銀行Nu Holdings(NYSE:NU)の2026年1〜3月期決算は、四半期売上高が初めて50億ドルを突破しました。純利益は8.71億ドル(前年比41%増)。ブラジル、メキシコ、コロンビアで合計1億3500万人を超える顧客基盤を有しています。
経営陣が強く語ったのは、その先の事業戦略についてでした。Nuは「成長する顧客基盤×ARPAC拡大×低コストプラットフォーム」という収益創出の公式を10年以上機能させてきました。デビッド・ベレスCEOとギリェルメ・ラゴCFOの説明は、その土台が再定義されつつあることを示すものでした。

決算発表前から、市場では資産の質をめぐる懸念がくすぶっていました。信用損失引当金は前期比33%増。リスク調整後の純金利マージンは100bp低下と、悪化を示す指標が並びます。ラゴCFOは「資産の質が悪化したわけではなく、季節性、成長、商品ミックスによる」と分解しました。
ベレスCEOは、Nuにとっての現段階を「day 1」と繰り返し表現しています。顧客数では民間最大級の規模に達した同社が、なぜ「序盤だ」と言い続けるのか。経営陣の説明から、Nuがこの先で何を実現しようとしているのか、その構造を辿ります。