リチャードソン・エレクトロニクス(RELL)が2026年4月8日に発表した2026会計年度第3四半期決算は、売上高が前年比3.1%増の5,547万ドル、希薄化後EPSは0.07ドルとなり、前年同期の0.15ドルの損失から黒字転換しました。これで7四半期連続の増収となります。
数字だけを見れば地味な改善に映るかもしれません。しかし、電子部品ディストリビューターである同社の今四半期決算には、伝統的な真空管・電子管商社から自社設計型のテクノロジー企業へと姿を変えつつある「変身の途中経過」が色濃く表れています。
象徴的なのが、1億5,120万ドルに積み上がった受注残です。グレッグ・ペロキン事業本部長は「4年前にはこれらの製品は存在しなかった」と語ります。風力タービン向けの電源モジュール、AI半導体製造装置向けの高周波部品、そして第4四半期に出荷を開始した産業用蓄電池ソリューション、いずれも同社が近年自ら開発してきた新領域です。

エド・リチャードソン会長兼CEOは「複数年にわたる戦略の実行が着実に進んでいる」と述べました。果たして、この老舗商社はどのように「存在しなかった製品」で受注残を築き上げ、AI時代の追い風を捉えようとしているのか。本稿ではその構造転換の中身を読み解きます。