2015年末にIPOしたばかりのテック企業のくせに10年も黒字を出し続けているAtlassian様

Atlassian Corporation Plc

テクノロジー企業といえば、ベンチャーキャピタルから資金調達を行い、プロダクトやサービスの開発にアクセルを踏み、利益確保の前に市場シェア獲得、ユーザーの囲い込みなどを行う企業が多い。またテック企業は上場時に売上成長率が見込まれれば赤字の場合も多々あり、上場後数年してから黒転する企業などもある。

Atlassianはテック企業のなかでも黒字をキープしている企業である。今回はアトラシアンの業績の内容を簡単に見てみる。

2002年にオーストラリでScott Farquhar氏とMike Cannon-Brookes氏がエンタープライズ向けソフトウェア企業を設立。Atlassianの主力製品はSlackと競合する企業やチームのための無料ホスティング型プライベート チャットサービスのHipChat、スケジュール管理のJIRA、コンテンツの制作と管理のConfluenceなどのサービスなどがある。現在の収益の柱の一つである、HipChatは2012年に買収した事業である。またサードパーティデベロッパのためのマーケットプレース Atlassian Marketplaceでは$120Mものレベニューがある。


Atlassioanが展開する現在のプロダクト・ポートフォリオ:

Jira Software プロジェクト / 課題管理
JIRAServiceDesk IT / ビジネス サービスデスク
JIRA Core ビジネスマネジメント
StatusPage プロジェクト / 課題管理
Confuluence ドキュメント コラボレーション
HipChat チームチャット、ビデオ、ファイル共有
BitBucket Git コード管理
SourceTree Git デスクトップクライアント
Bamboo インテグレーション・リリース管理
Atlassian Marketplace サードパーティデベロッパのためのマーケットプレース


Atlassioanの買収歴:

2016.7 StatusPage ←現在の主力製品
2015.5 Hall ←$20Mで買収
2015.4 BlueJimp
2014.9 doctape ←$7.5Mで買収
2014.9 Wikidocs
2012.5 HipChat ←現在の主力製品
2011.1 SourceTree
2010.9 BitBucket ←現在の主力製品


上記の図からも分かるようにAtlassianが現在展開するサービスの中には買収した企業のサービスも幾つか含まれている。


2016年12月10現在株価は26.55ドルで、時価総額はドル5.95B(約6000億円前後).

データ:Atlassian社 Annual Report


売上は順調に伸びており、FY2016の売上成長率も前年比で43%も増加している。

データ:Atlassian社 Annual Report 


営業利益率(OPM)と純利益率(NPM)は低下しているがFY2016は税効果の影響もあり黒字をキープしている。