直接的に上場企業のトピックではないが、東宝の決算発表資料を見ていたら「日本映画製作者連盟発表」なる団体が映画に関する統計を発表していることがわかり、かなり昔まで見られてかなり面白かったので、グラフにまとめておく。
まずは映画館の数。
映画館スクリーン数は1960年にピーク(7457)を記録した後、急速に数を減らし、1993年には1734スクリーンにまで減少。その後は増加に転じ、2016年は3472スクリーンとなっている。
全映画スクリーン数のうち、シネコン(シネマ・コンプレックス:1施設内に5つ以上のスクリーンを備え、複数の映画を同時に上映できる複合型映画館)に設置されているスクリーン数は急激に増加し、2016年には3045となっている。
日本の映画スクリーンのおよそ88%がシネコンということになる。確かにシネコン以外で映画観たことがない気がするし、そんな感じなのかも。
続いて、映画の公開本数の推移。
映画の公開本数は、1995年から2010年あたりまでは横ばいで合計500本から800本の間を行ったり来たりしている感じだが、2010年代に入ってから一気に増加し、2013年以降は1000本を超えている。この増加傾向は邦画と洋画共に起こっていることが上のグラフをみるとわかる。
入場者数の推移。ピークは1958年の約113万人。その後急降下し、1980年以降は12万人から18万人の間で概ね推移している。
興行収入は概ね右肩上がりに上がっている。1955年には518億円だったが、1986年には1794億円へと成長。その後、1996年までに1489億円と減少するも再び増加をはじめ、2016年には2355億円となっている。
2005年から2008年あたりを境に、邦画が洋画を上回っているのも興味深い。
2000年以前は配給収入の推移というのもあった。
こちらも右肩上がりで、1999年には828億円か。
Wikipediaページによれば、配給収入とは「映画において、興行収入から映画館(興行側)の取り分を差し引いた、配給会社の収益のこと」らしい。
1955年には63円で映画を観ることができたそうだ。その後、1980年代までにかけて急激に上昇し、1992年以降は1200円以上で安定。
ここら辺は経済成長とかインフレが大きな要因なんだろうな多分。
最近は邦画が強いけど、2000年あたりは洋画の方が強かったみたい。1960年ごろは邦画の方がシェアが大きかったようなので、単に周期的なものなのか、なんなのか。