ユナイテッドヘルス・グループが通期見通し上方修正。その裏で「痛み伴う改革」進める

ユナイテッドヘルス・グループ（UNH）が10月28日、2025年7〜9月期の決算を発表しました。売上高は1,132億ドル（前年比12%増）に拡大。調整後EPS（1株当たり利益）は2.92ドル（同59%減）で着地し、通期予想を「16.25ドル以上」へと引き上げました。

売上トレンドは堅調に見えますが、収益面は依然として厳しい状況にあります。営業利益は前年比50%減の43億ドル。医療コストが高止まりする中、政府によるメディケア（高齢者向け公的医療保険）の削減、インフレ削減法（IRA）の影響が先行きを重くしています。

こうした逆風の中、スティーブン・ヘムズリーCEOは、復調に向けた強い意志を示しました。2026年の「堅実な収益成長」 と、2027年以降の「持続可能な二桁成長」 にコミットすることを表明。そのために、業績不振事業の再建や効率化を進める方針を掲げています。

中核事業の一つであるメディケア・アドバンテージやOptumでは、会員数の減少を許容。マージン改善に向けた打ち手に踏み切ります。具体的にはどういうことなのか、今回の記事では新たに発表された決算の詳細をご紹介。経営陣の「選択と集中」は、同社を再び成長軌道に乗せられるのでしょうか。