成熟市場でM&A攻勢を進める「ノジマ」家電専門店”以外”が最大の売上規模に
家電量販大手の一角であるノジマが、市場の成熟を背景に異例の成長を続けています。2025年4〜6月(第1四半期)決算では、売上高が前年比20.7%増、営業利益は86.0%増を記録。通期の業績予想も上方修正されました。
多くの同業他社が国内市場の頭打ちに直面する中、同社の動向は際立っています。拡大戦略を支えるのは、M&Aを軸とした事業ポートフォリオの拡大。近年はコネクシオ(携帯販売代理店)やマネースクエアHD(金融事業)、PCメーカーのVAIO や広告事業を手掛けるストリートHDを連結子会社化しました。

その事業領域は、もはや単なる「家電量販店」の枠組みでは捉えきれないものへと変貌を遂げつつあります。今年7月にはマネースクエアHDの全株式を売却することも発表。ノジマは、企業を買収して業容を広げるだけでなく、価値向上(バリューアップ)させて売却するという「投資ファンド」的な動きも見せているのです。
なぜノジマは、このような戦略を推し進めるに至ったのでしょうか。その根底には、メーカーの派遣販売員を置かず、自社従業員のみで売り場を運営する「コンサルティングセールス」 があります。今回の記事では、ノジマの来歴について改めて紐解いた上で、直近の戦略が意味するものを考えます。