LIXILからPanasonicまで!今日発表された決算11社のセグメント業績をチェック

今日は、気になる決算を11社に絞ってひたすらセグメント業績をグラフ化していきたいと思います。


LIXILグループ:ウォーターテクノロジー事業が稼ぎ頭

まずは、住まいと暮らしの総合住生活企業「リクシルグループ」です。

業績はほとんど横ばいです。セグメントごとの売上を見てみます。

全体売上の増加は「ウォーターテクノロジー事業」によるもので、同事業の売上は4820億円から5186億円に増加しています(セグメント間除く)。

その他、キッチンテクノロジー事業と流通・小売事業以外は軒並み減少しており、全体としては296億円ほどの増収に収まっています。

続いて、セグメントごとの利益も見てみます。

稼ぎ頭は「ウォーターテクノロジー事業」で、539億円の利益をあげています。

その次に大きな利益をあげる「ハウジングテクノロジー事業」の利益が331億円から259億円に減少。

全体としては80億円ほどの減益となっています。


三菱商事:ローソン子会社化により増収

続いて三菱商事。

収益は前年から21%、営業利益も17%の増加となっています。

短信によると、増収の要因はローソンの子会社化と資源価格の上昇とのことです。

三菱商事は、2017年の頭にローソンのTOBによる子会社化を完了しています。

三菱商事がローソン子会社化を完了、TOBで過半数取得

ローソンの売上は6312億円(2017/2期)ほどですから、それでちょうど20%くらいの増収となります。

三菱商事の時価総額は4.93兆円。それに対して有利子負債は5.2兆円、現金同等物は1.1兆円ほどなので、EV(企業価値)は9兆円ほどとなります。

それに対して、営業キャッシュフローは5363億円、設備投資は2172億円ほどなので、FCF(フリーキャッシュフロー)は3191億円。

1年分に換算すると、4254億円となるので、EVはFCFの21.2倍ほどとなります。


ユナイテッドアローズ:ネット通販が21%増収

大手セレクトショップのユナイテッドアローズです。

7%の増収、20%の増益。調子が良さそうです。

小売店売上は820億円で前年から3.3%の増加、ネット通販は170億円を売り上げ、前年から21%の増収となっています。

アウトレットなども好調で、143億円を売り上げて11%の増収。

ビジネスユニット別で見ると、軒並み増収ですが、ユナイテッドアローズの既存店売上は前年から0.5%減少しています。

ネット通販はどの業態も10%以上の増収に。

ユナイテッドアローズでは、長期的にEC売上高比率を30%近くまで向上させることを目標にしています(現在は17.7%)。


シュッピン:47%増益

続いてカメラや時計を中心とした買取販売を行う「シュッピン」。

かなり調子が良さそうですね。セグメントごとの売上を見てみます。

メインのカメラ事業が161億円(前年比23%増)、時計事業が60億円(前年比40%増)と伸びています。

セグメント利益も見てみましょう。

カメラ事業は10億円から13.5億円に、時計事業は2億円から3.7億円に増益。

カメラ事業では、人工知能によるトップページレコメンドで潜在ニーズをマッチングしたり、「欲しいリスト」「入荷お知らせメール」による個別最適化が功を奏したと言います。また、越境ECを開始して海外のカメラユーザーに向けて高品質の中古品を提案。

時計事業でも、インバウンド需要が回復したことや、資産効果による高額消費の増加により好調に。

シュッピンについては今度また詳しく掘り下げてみたいです。


アドウェイズ:海外事業の売上成長と赤字縮小

インターネット広告事業を手がけるアドウェイズです。

売上高は横ばいですが、営業利益が大きく増加しています。セグメント売上を見てみましょう。

海外売上が37億円から45.7億円に増加した一方、スマホ向け広告は130億円から129億円、PC向け広告は134億円から125億円に減収。

セグメント損益も見てみます。

広告事業の利益は21億円から18億円に減少していますが、海外事業の赤字が6億円から1.6億円に縮小しています。

その結果が全体の増益につながっています。

ヤマハ:中国売上高が増大


ヤマハも調子良さそうですね。セグメントごとの売上を見てみます。

楽器売上は2088億円で、前年同期から6.2%の増収。

音響機器も923億円を売り上げ、同じく8.6%の増収となっています。

続いてセグメント利益の状況です。

楽器事業の利益は281億円それほど大きくは変わりませんが、音響機器が85億円から100億円、「その他」も16億円から33億円に増益となっています。

地域ごとの売上高を見ると、中国が成長しているようです。

去年までは区分はなかったのですが、今期は425億円もの売上をあげています。

はせがわ:ショッピングセンターに3店舗出店

お仏壇で有名な「はせがわ」です。

売上高はほとんど横ばいですが、営業利益が84%も増加しています。

セグメント売上高は記載がありませんでした。

計画的な商品クリアランスの実施や新商品の投入が功を奏しているとのこと。

ショッピングセンター内に3店舗を新規出店。

もっと情報出してほしいくらいに情報がありませんでした。


キッコーマン:海外食料品販売が稼ぎ頭

醤油のトップ企業、キッコーマンです。

増収増益です。ヨーロッパの景気が弱めだが、アメリカの景気が着実に回復しているとのこと。

セグメント売上を見ると、海外事業が軒並み12%、合計で200億円ほど成長しています。

国内事業はほとんど横ばいですが、49億円ほどの増収。

セグメント利益です。

海外食料品製造・販売セグメントの利益が122億円から137億円へと増加。

海外卸売事業も56億円から59億円に増益しています。

利益に関しては国内も好調で、国内食料品製造・販売は78億円から96億円に増益。


GMOペパボ:ミンネとカラーミーショップは二桁増収

続いて、サーバー事業や手作りマーケットプレイス「ミンネ」などを展開するGMOペパボ。

前年のセグメント業績が開示されていないので、決算説明会資料を見てみます。

主力のホスティング売上高は41億円と、8%の増収。

「カラーミーショップ」などのEC支援事業は16億円の売上で8億円の利益と、利益率が高いですね。

ハンドメイド事業は売上14億円も、営業損失が10億円と、利益を生み出すには至っていません。

逆にいうと、ハンドメイド事業以外ではかなり高い利益率であることがわかります。

株式時価総額は86億円。借入金はなく、現預金が16億円あるので、EV(企業価値)はおよそ70億円と計算できます。

営業キャッシュフローは6.4億円、固定資産への支出が2.4億円なので、フリーキャッシュフローは4億円。

EVは生み出している現金の17.5年分ということになります。

ハンドメイド事業の利益率が今後改善することを考えれば、かなり魅力的な水準です。


マクロミル:海外事業が大幅減益

続いて、インターネットリサーチなどを手がけるマクロミルです。昨年3月に再上場。

増収減益となっています。

マクロミルの事業は、日本を統括する「マクロミルグループ」と、海外を統括する「MetrixLabグループ」の二つからなります。

それぞれの売上状況です。

マクロミルグループは売上153億円で前年から12億円の増収。

MetrixLabグループも36.4億円で前年から3億円ほど増収となっています。

セグメント利益もみてみます。

国内事業はわずかに現役、海外事業は半分以下に減っています。

パナソニック:コネクティッドソリューションズ事業が40%増益

最後にパナソニックです。

営業利益は前年から15%増えています。調子良さそうですね。

パナソニックの事業セグメントは以下の4つからなります。

・アプライアンス:テレビやエアコンなどの家電製品

・エコソリューションズ:ソーラーシステムやハウジングシステム、電設資材

・コネクティッドソリューションズ:スマホや自動車・ICT向け実装機、パソコンや決済端末

・オートモーティブ&インダストリアルシステムズ:車載電池、車載・産業向けデバイスなど

オートモーティブ&インダストリアルシステムズが1.8兆円から2兆円に増収。


セグメント損益です。

コネクティッドソリューションズが40%の増益で791億円に。

増収のオートモーティブ&インダストリアルシステムズは15%の減益となっています。