毎年11月11日、中国の祝日「光棍節」、別名「独身の日」は世界中が“ある金額”で盛り上がる。Wイレブン(独身の日のセール。年間最大となる)のECショッピングで、アリババグループなどのEC企業がライブコマースでいかに売り上げたかという総額である。
ライブコマースとは、一般公開または1対1でライブ配信しながら、リアルタイムで購入することができ、チャット機能やリアクションボタンで双方向コミュニケーションを取ることができるマーケティング手法 である。
ライブコマースは2021年に米国で100億ドル以上の利益を生み出し、さらに2023年までにその倍以上の250億ドルの売り上げを生み出すという予測もある。
ライブコマースの発祥は中国だ。ライブストリーミング技術を用いて中国で花開いたライブコマースは、アリババグループのタオバオライブを筆頭に盛り上がり、2021年のWイレブンは同グループだけで5403億元(約10兆2,700億円、2022年5月26日現在)を叩き出す一大チャネルとなった。
中国以外の企業で最初にライブコマースSaaSを提供したのがスウェーデン・ストックホルムに本社を構えるBambuserだ。同社は2007年創業。もともとは主にジャーナリズムの分野で携帯電話を使用したライブ配信技術を提供していたが、2019年に同技術を用いてライブコマース市場に参入した。
Bambuserは2021年にLVMHイノベーションアワードを獲得するなど、ライブコマースの分野で世界的に注目されている。日本では今年3月、トランスコスモスとパートナーシップを締結、市場開拓を始めている。今回は同社に、世界のライブコマースの事例やトレンド、日本国内の動きについて聞いた。