東南アジアeスポーツや中国少額ローンサービスが上場!気になるばかりの2017年10月アメリカIPO企業13社まとめ

今日は、2017年10月のアメリカ新規上場企業についてまとめたいと思います。

絞ろうと思ったのですが、良さげな会社が13社もあったので少し多くなってしまいました。

社名 キーワード 時価総額
ForeScout Technologies, Inc セキュリティ 11億
Merchants Bancorp 銀行 5.64億
National Vision Holdings, Inc. メガネ販売 29億
FAT Brands, Inc 飲食 1.01億
Dragon Victory International LTD 中国クラウドファンディング 5170万
RiSE Education Cayman LTD 中国の英語教育? 8.25億
Sea LTD 東南アジアインターネット 45.4億
RumbleOn, Inc. バイク売買マーケットプレイス 6382万
mongoDB, Inc. データベース 14.7億
Quidan Inc. 中国の少額ローン 42.9億
Restoration Robotics, Inc. ハゲテク 1.48億
CarGurus, Inc. 中古車の売買 31.8億
Switch, Inc. データセンター 44.4億

東南アジアのインターネット企業や、中国の少額ローンサービスなど、面白そうな会社が多くあります。

事業内容と業績を一つずつ見ていきましょう。


1. ForeScout Technologies, Inc


セキュリティに関する事業を展開する会社です。

IoTによってインターネットに参加するデバイスは爆発的に増加し、同時にセキュリティのリスクも増します。

ForeScoutでは、ネットワーク上のデバイスを監視し、制御することのできるソリューションを提供しています。

ここら辺は改めて掘り下げたい気もします。

四半期の売上高は6435万ドルで前年同期比+32%の成長。

営業損失は1700万ドルから662万ドルに改善しています。黒字化は近そうですね。

2. Merchants Bancorp

アメリカのインディアナ州カーメルに本社をおく銀行持株グループ。

銀行が今さら上場する(失礼)ってすごいことのように感じます。アメリカではちょいちょいあるようですが。

直近の決算報告を見てみましょう。

ローンの売上が2201万ドルと金利収入のうちのかなりの部分を占めています。金利収入全体は2600万ドルで、前年同期から31%の増加。

金利費用は761万ドルほどで、差し引き1839万ドルの利益です。

3. National Vision Holdings, Inc.

1990年、ウォルマートのメガネセンターを運営するために「National Vision」が設立。

2005年にはBerkshire Partnersによって買収され、同じく買収された「America's Best Contacts & Eyeglasses」と合併。

2009年にはEyeglass World、2011年にはAC Lensを買収。

日本でいうメガネスーパー的な感じでしょうか。

直近の決算報告です。

四半期の売上は3億4609万ドルほどで、前年同期から15%ほど成長。

営業利益は1656万ドルで、営業利益率は4.8%ほどです。

4. FAT Brands, Inc

社名がすごいですが、アメリカの飲食チェーンです。

店舗ブランドとして「Fatburger」「Buffalo's Cafe」「Ponderosa&Bonanza」などを展開。

アメリカっぽいですね。全部で300拠点以上。

売上は666万ドルほどとあまり大きくありませんが、営業利益は430万ドルとかなり利益率が高いですね。

フランチャイズ中心でコストがあまりかからないということでしょうか。これも気になるので今度調べてみたいところです。

5. Dragon Victory International LTD

中国でクラウドファンディングサービスを提供。

ざっくり業績をみてみると、2017/3期の売上は359万ドル(YoY+115.9%)、純利益も171万ドルとなっています。成長率もすごいですが、利益率も高いですね。

時価総額は5170万ドルなので、PERは30.2倍ということになります。

6. RiSE Education Cayman LTD

2007年に設立された会社で、中国における英語教育に特化しています。

直近の業績ハイライトを見てみましょう。

2017Q3の四半期売上は2.6億元(45億円)で、前年から28.3%の成長。

純利益は2660万元(4.6億円)なので、売上に対して10%の純利益が出ています。

学習施設は259拠点(2017/9)あり、そのうち58ヶ所が直営、201ヶ所がフランチャイズ。

学生の数は3万8193人で、前年から38.5%増加。

7. Sea LTD

東南アジアでインターネットサービスを展開。

eスポーツのプラットフォーム「Garena」や、Eコマース「Shopee」、Eウォレット「AirPay」などを提供しており、それぞれが高い成長率を誇っています。

「Garena」では、「Garenaスターリーグ」や「Garenaプレミアリーグ」などを展開しており、テンセントやネクソンなどといったゲームベンダーと連携。

四半期のアクティブユーザー数は6400万人に達しています。

「Shopee」では、インドネシア・台湾を中心に、アジアの広い地域で11億ドルを超える売買が行われています。

また、「AirPay」は東南アジアに多く存在する3億人もの銀行口座を持たない人たちにアプローチしようとしています。年間の取引高は5億ドルに達しています。


Seaは今回の13社の中でも特にアツい会社だと思うので、今度また掘り下げたいです。

8. RumbleOn, Inc.

バイクのオンライン売買プラットフォームを提供。

マニアには刺さりそうなサービスですね。直近の決算情報を見てみましょう。

四半期の売上は370万ドル。営業損失が222万ドルという規模です。

バランスシートをみると、現金が65.6万ドルしかありませんが、潰れないんでしょうか。。。

逆に気になる会社です。

9. MongoDB, Inc.

MongoDBは開発者の多くにとって馴染みのある企業です。

2007年に設立され、当初はオープンソースプロジェクトを開始。

2011年よりクラウドサービス、2012年にはサポートサービスなどを展開し、2017年までに累計3000万回以上ダウンロードされているとのこと。

気になる業績ですが、四半期売上は4149万ドル(YoY+57.7%)、営業損失が2405万ドルという水準。

まだまだ投資フェーズですが、成長率は高いですね。

10. Quidan Inc.

中国で少額ローンを提供するインターネット企業。

これもテーマ的にかなり興味をそそります。

直近の業績ハイライトです。

取引総額は38億ドルで、前年から218.8%の増加。

借り手の数は750万人に達し、前年から174.7%の増加。すごいですね。

四半期売上は2.2億ドルほどで、前年から308%の成長。純利益も9780万ドルと、利益率も高水準です。

これも気になる。。。

11. Restoration Robotics, Inc.

頭髪の復活に関する医療機器を開発している会社。2006年創業。

具体的には「ARTAS®」というシステムを製造。市場がデカそうです。

売上は417.7万ドルで、前年から13.6%の成長。営業損失は460万ドルほどです。

医療系の新規上場企業にはありがちですが、売上以上の損失を出しているということになります。

12. CarGurus, Inc.

2006年にトリップアドバイザーの共同創業者であるLangley Steinertによって創業。

新車や中古車を売買できるオンラインマーケットプレイスを提供しており、アメリカやカナダ、イギリス、ドイツなどで事業を展開。

2017年3Qの損益です。

売上は8299万ドル(YoY+56.2%)、営業利益は286万ドル。すごい成長率です。

13. Switch, Inc.

2000年に設立されたラスベガスの会社で、データセンターを運営しています。

直近四半期の業績です。

売上高は9769万ドル(YoY+19.6%)、営業利益は2545万ドル(YoY+54.1%)。

かなり歴史の長い会社ですが、今も成長を続けているようです。


まとめ

いかがでしたでしょうか。

面白い会社ばかりで、どれも削るのは難しく、若干浅い内容になってしまいました。

東南アジア企業のSeaや中国企業のQuidanなど、特に気になる企業についてはまた改めて取り上げたいと思います。