ついに上場する佐川急便(SGホールディングス)の過去11年間の事業数値まとめ

IPO

「クロネコヤマト」のヤマトホールディングスと並んで一般に利用することの多い佐川急便の親会社、SGホールディングスの上場が発表されました。

佐川急便の歴史

1957年、創業者である佐川清は、35歳で「飛脚になろう」と決心したそうです。

そして京都において京都-大阪間を主体とした飛脚業を開始。飛脚といっても走っていたわけではなく、自転車、オートバイ、ミゼット、そしてトラックへと運搬車も近代化していきました。

1962年に「有限会社佐川」をへて、1965年に「佐川急便」を設立。

1970年台後半には積極的にシステム開発を手がけます。1977年には伝票をマイクロフィルム化し、1980年には電話応答システムを開発。1982年には全集配車にMCA無線システムを導入。

1999年には「国際宅配便」事業を開始したほか、2003年には大阪・東京発で世界220以上の国や地域へ、ドアツードアの宅配便サービスを実現。2005年には国際宅配便「sgx(現:飛脚国際宅配便)」を開始するなど、グローバル化にも力を入れています。

2013年ごろには大口顧客を中心に料金値上げを求め、それ以降佐川によるAmazon商品の配達がなくなり、「シェア拡大より単価を優先した」と話題になりました。

佐川急便、取扱11%減 4~9月、脱アマゾンが影響

そして今年12月についに親会社のSGホールディングスとして株式上場を果たすことになります。


SGホールディングスの過去11年間の業績推移はこちらです。

売上高にそれほど大きな増減の傾向は見られませんが、8243億円から9433億円の間で推移しています。

営業利益率は2.5%から5.7%ほどで、Amazonとの取引を事実上停止した2014年3月期以降、それまでと比べて営業利益率が改善していることがわかります。

コスト構造の変化

利益率の変化についてもう少し詳しく知るために、SGホールディングスの営業原価と販管費を対売上比率で見てみます。



一見それほど大きな変化には見えませんが、2013年3月期までは営業原価率が93.4%まで上昇しており、その後は91%前後にまで改善しています。

販管費は売上高に対して3%から4%の間で安定して推移しています。

セグメント売上

続いて、SGホールディングスのセグメント売上をみます。

SGホールディングスには報告セグメントとして以下の3つがあります。

1. デリバリー事業

宅配便・メール便・特定信書便、引越、ルート配送、チャーター輸送、設置輸送、美術品輸送、納品代行、食品配送など

2. ロジスティクス事業

流通加工、物流システム構築、在庫・受発注管理、物流センター運営、倉庫業、利用運送、国際宅配便、国際航空・海上輸送など

3. 不動産事業

不動産賃貸・管理、不動産開発、資産管理・運用、再生可能エネルギー供給など


それぞれの売上推移はこちらです。

デリバリー事業の売上は、Amazonの取扱いをやめた2014年3月期前後で7534億円から7094億円へと400億円以上減少しています。

一方、ロジスティクス事業の売上はこの5年間で499億円から1104億円へと大きく成長しています。

セグメントごとの利益と利益率

続いて、各セグメントがどのくらいの利益を生み出しているかをみます。

メインのデリバリー事業が一番大きな利益を生んでいます。

利益率もみてみます。

不動産事業が二桁%の利益率となっていますが、デリバリー事業とロジスティクス事業はどちらも10%以下の利益率です。

デリバリー事業の利益率は一時期2%くらいにまで落ち込んでいたのが、5%を超えるまで改善しています。

逆に、ロジスティクス事業の利益率は3%前後あったのが、ゼロパーセント前後にまで落ち込んでいます。

資産内訳の変化

続いて、SGホールディングスの資産内訳の変化をみてみます。

総資産は6508億円にのぼっており、そのうち710億円が現預金、371億円が販売用不動産、1236億円が土地、1418億円が投資その他の資産となっています。

負債・純資産の内訳

続いて、資産の調達源泉である負債と純資産の内訳をみてみます。

利益剰余金が2008年3月期の1022億円から、2425億円へと増加しています。逆に、長期借入金は2288億円から988億円へと同じ期間で半分以下に減少しています。

借入は常にしているようですが、着実に積み上げた利益を再投資してきたことがわかります。

フリーキャッシュフローの状況

最後に、SGホールディングスのフリーキャッシュフローを見てみます。

フリーキャッシュフローの大きさはあまり安定していませんが、ここ5年間の平均を取ると270億円になります。

単純計算で、FCF倍率10倍とすると2700億円、20倍で5400億円の時価総額がつくことになります。

詳細はまだ公開されていませんが、最近の上場株の動きをみていると、かなり高い値がついてもおかしくないように思います。

実際に来月どうなるのか、今からとても楽しみです。