じげんがめちゃ伸びしているので、事業と今後の方向性を調べる

じげん

先ほど、適時開示で「じげん」の決算短信が出ていたが、次のようにかなりの成長を見せている。

・売上収益75.34億円(+50.1%)

・営業利益24.83億円(+41.4%)

こういうことになってしまうと、なんでこんなに伸びているのかを調べざるを得ない。

第4四半期決算説明会資料は1ヶ月前に出ていたようだ。これをみてみよう。


要約

結構長くなってしまったので、先にサマリを置いておく。

事業と業績

・創業以来10期連続増収増益、上場以来4年連続経営目標達成

・営業利益率、営業利益成長率、ROEで25%超えを達成

・人材、不動産、生活(占い、自動車)の3領域で事業を展開

・3つとも+50%前後の売上成長

今後の方向性

・大量の情報を有機的に収束、再構築し、パーソナライズして届けることでユーザーの行動を促進するのが目指す方向性

・単に情報を整理するだけでなく、自らコンテンツ生成することで情報産業でのサプライチェーンを一気通貫して担える体制を目指す(コンビニやSPAのイメージ)


全体の業績概況


創業以来、10期連続で増収増益とのこと。というか、まだ10期目なのか(11期目?よくわからん)。。

上場以来、4期連続で業績計画を達成とのこと。こういう会社はやばいってバフェットが言ってたが、じげんの場合は本当に調子が良さそう。

経営目標として「トリプル25」というのを設定していたらしい。その内容は、営業利益率、営業利益成長率、ROEの3つ。なかなかに高い目標である。


領域ごとの売上高

3つのジャンルでの売上高の比較。

・人材:36.77億円から54.37億円(+47%)

・不動産:9.63億円から14.59億円(+51%)

・生活:3.9億円から6.59億円(+68%)

ということで、3つとも満遍なく伸びているということがわかった。


人材メディア事業について


本来、転職や派遣などを扱ういわゆる人材業界は景気のサイクルとの連動性が大きいものだとされている。そのため、今みたいに景気がいいとされている時期は、人材会社は軒並み業績が良い。

しかし、じげんのこのスライドでは今後、この構図が崩れるはずだとしている。社会的な労働習慣の変化や人材供給自体の減少によって、求人市場の需要は今後長期的に高まるらしい。

その構図はすでに顕在化しているかも?というスライド。

求人広告数や有効求人倍率などがすごい増えてるらしい。

具体的なサービスを見ると、「アルバイトEX」「ブレイン・ラボ」という2つのサービスがあるのか。

どちらもアルゴリズムやAIの活用によって企業と人材のマッチング効率の改善を行う、という感じのようだ。

アトラエとかも人工知能アピールしてたけどまあ正直よくわからんな。

業界を絞った特化型メディアが好調で、それが顧客の増大と単価上昇に繋がっているとのこと。

中でも、エステ・セラピストなどの求人を扱う「リジョブ」の買収はうまく言っており、買収後2年ちょっとで投資額を回収したそうだ。

不動産分野

不動産分野では不動産会社向けにホームページ制作を行う「エリアビジネスマーケティング」という会社を買収したらしい。買収後、好調に伸びている。

生活分野

生活分野ではにじげんという子会社があるらしい。「電話占いミスティーライン」「みんなの電話占い」などのサービスを提供している。

その他、自動車分野では中古車アグリゲーションメディア「自動車EX」「中古車EX」などを提供している。2016年4月以降、めちゃ伸びていることがわかる。見た感じだと、8倍くらいに売上が伸びている。成長要因としては「提携メディアとの戦略的関係性の強化」とある。

何と提携したんだろ、と思ってググって見るとプレスリリースが出てきた。

「中古車EX」が株式会社プロトコーポレーションと提携拡大へ/5月18日(水)よりクルマ・ポータルサイト「Goo-net」の全中古車情報が検索可能に

どうやら「Goo-net」と提携し、「中古車EX」で検索するとグーネットの車情報が出てくるらしい。試しに「プリウス」を検索してみた。

確かにグーネットと書いてある。


今後の方向性

「人材」「不動産」「自動車」「占い」という4つの巨大市場において順調に業績を伸ばしているじげんであるが、今後は何を目指すのだろうか。

「じげんが目指す方向性」として、「大量の情報を有機的に収束、再構築し、パーソナライズして届ける」とある。それによって「ユーザーの行動を促進する」とのこと。

小売業界では、ファストファッションやコンビニエンスストアなど、消費者と直接接点をもつ企業が製造や販売などのバックエンドを一気通貫して行うことで高い利益率を実現している。確かに。

一方、情報産業ではそれがまだ起こっていないとのこと。すでに存在する情報を再構築して付加価値を出すことはできても、実際に価値のある情報を自ら生み出す企業は少ない。

じげんの戦略としては、情報を集めるアグリゲーションメディアからユーザーとの接点を構築し、その上でコンテンツ生成も自社で担えるようにすることで、サプライチェーンを一社で完結させようというのが狙いのようだ。