国内IPO銘柄であるGameWithについて調べます。同社の時価総額は300億円と、上場から下がり続けています。
今後はどうなるのかを考えてみたいと思います。
GameWithは2013年にスタートした会社で、当初からゲーム攻略サイトの運営が主な事業です。
初期はゲーマー同士が質問しあうQ&Aサービスとして始まりましたが、現在は専属ライター兼トップゲーマーが質の高い記事を作成するという形に落ち着いています。
そのほか、ゲームのレビュー、動画、コミュニティなど ゲームを楽しむ上で必要な周辺環境を作っていくとのこと。
収益の多くが広告収入からきています。
ゲームの上位ランカーをライターとして採用することで、高品質な記事を高頻度で更新する体制を構築しています。
そのため、従業員の半数以上がライターとなっています。
次に、業績を見てみます。
2017年5月期は売上高15億8100万円、営業利益6億5400万円と大きく成長しています。
営業利益率は41.37%、売上成長率は59%となっています。
GameWithの事業KPIとして最も重要と思われるのは月間PV数だと思われますが、月次で開示されてはいないようです。
公式サイトによれば、2013年9月にリリースされたのち、3年半で月間8.9億PVを超えたとのこと。
モーニングスターのアナリストレポートによれば、月間ユーザー数は4176万人とのこと。
ということは、1ユーザーあたり月間およそ21.3ページをみているということになります。
日本人の三人に一人がGameWithを見ているということはない気がするので、ユニークユーザー数はもう少し下がりそうですね。
決算説明資料からGameWithの今後の戦略を見てみます。
戦略としては上の2つを挙げています。PV単価の改善とコミュニティからお金を取る、ということ。
広告運用体制の強化、広告枠の増枠、表示方法の最適化などを駆使することで、単価を向上させるとのこと。
絶対値は非開示ですが、かなり順調に伸びているようです。
単純に考えると、月間8.9億PVで年間15.81億円(=月間1.32億円)の売上なので、1PVあたりの収益は0.148円ということになります。
この値をどんどん上げていくということですね。
また、すでに展開しているコミュニティのユーザー数を増加させることで、そこでの広告掲載などを行いたいとのこと。
ふむ。
バランスシートから、GameWithの財政状態をチェックしてみます。企業としてどのくらいの体力があるか。
資産の合計は18億円。そのうち13億円が現預金となっています。売上よりも大きいキャッシュを溜め込んでいるわけなので、かなり余裕があるとみていいと思います。
負債は4億円弱で、そのほとんどが流動負債ですね。
利益剰余金は7.5億円ほど。
最後に、GameWithがどのくらいFCF(キャッシュフロー)を生み出しているかをみて、割引キャッシュフロー(DCF)法による企業価値算定を試みます。
GameWithはまだまだ社歴が3年と新しいこともあり、正確な予測は無理というものですが、いくつかの仮定を元に算定することはできると思います。
まずは、過去2年のキャッシュフローを見てみましょう。
2017年5月期は5億円のFCFを生んでいます。