先日、S&Pやフィッチなどの格付会社が、アルゼンチンの債務格付けを引き下げ、一時「デフォルト(債務不履行)」扱いにしました。
アルゼンチンでは、かねてより債務問題が取り沙汰されており、2001年の大規模なものを含め、数々のデフォルトを引き起こしています。
そこで今回は、そもそもアルゼンチンがどんな国なのか歴史を軽くおさらいした上で、なぜ何度もデフォルトに陥ってしまうのか、背景を整理してみたいと思います。
まず、アルゼンチンという国がどこにあるのか、しっかり把握しておきましょう。
アルゼンチンは、南アメリカの南半分の大部分を占めており、国土面積は278万㎡と、かなり大きい部類です。日本が37.8万㎡ですから、7倍以上。
世界的に見ても、インド(329万㎡)に続いて8番目に大きい国です。
一方で人口は4,427万人と、日本の三分の一ほど。経済規模はGDPで6,376億ドルと、日本(4.8兆ドル)と比べると7分の1ほどのサイズです。
最初の住民は、紀元前11,000年にアジアからやってきたと言われ、パタゴニア(地名)には有名な「手の洞窟」も残されています。
15世紀にはインカ帝国によって征服されますが、1516年にはスペインの探検家ディアス・デ・ソリスが訪れます。
ディアス・デ・ソリスは銀の装飾具を身につけていた地元民を見て、大量の銀があると勘違い。巨大な川を「ラ・プラタ川(La Plata=銀)」と名付けました。
アルゼンチンの首都となったブエノスアイレスは、銀の山を見つけるために、1536年に軍事拠点として開発された背景があります。
後に正式なものとなる「アルゼンチン」という国名も、銀のラテン語表記「Argentum」に地名を表す女性縮小辞(-tina)を添えたもの。