掃除のダスキンが「ドーナツ」を売り始めた理由

掃除のダスキンが「ドーナツ」を売り始めた理由

ダスキン

「ミスタードーナツ」を展開するダスキンは、大阪府吹田市に本社をおく企業。ダストクロスのレンタルサービスから始まり、ハウスクリーニングや家事代行、害虫駆除を手がけてきた。

しかし、考えてみれば不思議な話だ。清掃事業とドーナツ販売に共通するところは、一見する限りほとんど存在しない

調べてみて分かるのは、ダスキンの歴史が日本における「フランチャイズ」発展と大きく関わりがあるということだ。今回は、創業者である鈴木清一氏が歩んだ道のりと、「ミスド」誕生の経緯についてご紹介する。

鈴木清一氏について語るとき、氏の宗教性について語らずにはおれないが、それを礼賛する意図はない。しかしながら、それが重要な出会いをもたらし、熱量ある組織を生み出し、数々の事業を成功させたのは興味深い事実でもある。

戦時下の「ワックス」開発

鈴木清一氏(以下、清一)は1911年生まれ。愛知県にある農家(角谷家)六人兄弟の四男として生まれたが、三歳で鈴木家の養子となる。

20歳になった頃に肋膜炎を患う。病から復活した清一は、それまでのサボり癖が治り、人が変わったように仕事に打ち込んだ。働きぶりが評価されてか、勤め先・川原商店の次女との縁談が持ち上がる。

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