ヤンデックス(Yandex)はロシアのモスクワに本社をおくインターネット企業。StatCounterによれば、世界の検索エンジンシェアのうち合計(Yandex RU + Yandex)で0.76%ほどを占めている。「Yandex」という名前は「Yet another INDEXer(もう一つのインデックスする者)」という造語に由来しているらしい。
ヤンデックスの発祥は1990年にさかのぼる。のちの創業メンバーたちは「アルカディア」という会社で、聖書の検索や商品、サービス、そして世界中の特許などを分類するプログラムを作ったりしていた。特許の分類システムは結構稼げたそうだ。
1993年に「Yandex」という言葉をアルカジー・ヴォロシュとイリヤ・セガロヴィッチの二人が考案。1993年ということはGoogleより前だ。つまり「Googleに加えて、もう一つの」という意味ではない。その後、アルカディアは「コンプテック」という会社の傘下に入った。
1997年の9月23日、検索システムYandex.ruがモスクワのソフト展示会で発表された。この時は、4Gバイトの文字を含む5000のロシアのウェブサイトをインデックスしていた。当時の仕組みはロシア語の形態と単語同士の距離などを解析し、ページをランク付けする、というものだった。
1998年には初の「コンテキスト(文脈上の)バナー広告」として「あなたのニャンコはシスコを買うだろう」と表示された。コンテキスト広告はのちにヤンデックスのメインのビジネスモデルとなる。
2000年にコンプテックの株主たちによって会社「Yandex」が設立される。500万ドル以上が出資された。アルカジー・ヴォロシュがCEOに就任。
2002年には「コンテキスト広告」の成長により早くも黒字化。2005年にはウクライナに進出した。
2011年にナスダックにIPO。
・ロシア国内で55.2%のマーケットシェア
・ロシアの広告マーケット全体の20%を占めている
・サーチ・ポータル、タクシー、Eコマース、クラシファイドなど多様な事業
・2016年の売上は12.5億ドル(RUBベースで前年+27%成長)
ロシアの検索で一貫してトップのシェアをキープ。って言ってるけど明らかにグーグルのシェアが上がってきているw
続いてセグメントごとの業績。
毎年、YoYで20%前後伸び続けている。
Eコマース。Yandex.Marketというサービスがあるらしい。2016年の伸びは前年比+39%かなり大きかったようだ。
Yandex.Taxiもあるらしい。こっちは2016年に前年+135%の成長。
クラシファイド。不動産や旅行など、地域の情報を掲載する感じかな。こちらもかなりの成長角度で伸びている。
推測だが、Yandexが今も生き残っている大きな理由はGoogleがロシア語への対応に遅れたからなのではないかと思われる。そのために過去20年に渡って成長し続けることができた。
しかし、ロシア国内でもGoogleの検索シェアが伸びてきていることが確かで、やがて逆転する可能性は高い。
だからこそヤンデックスとしては、その時に備えてEコマースやタクシー配車、クラシファイドなどの事業を頑張って育てているという感じか。