スポーツの経験がある人であれば、アンダーアーマーというスポーツウェアを知っている人は多いだろう。特に中学・高校野球をしている人間にとって、あの少し値が張るピチピチのアンダーシャツは「マッチョシャツ」とも呼ばれ、磁石を二つ重ねたような謎のロゴはちょっとした憧れであった。
当時、純粋な気持ちで野球をしていただけの自分にとって、アンダーアーマーという企業がかなり大きな成長を遂げるとは知る由もなかった。
株価はだだ下がりだけど。
(Google検索より)
悲しいくらいに下がっている。。
まあ元々が割高すぎたんだろうな。現在でも営業利益4億ドルに対して時価総額91億ドル。
しかし、売上の成長率は高くて安定しているので、今後が楽しみな会社であることは間違いない。投資家向けプレゼン資料を見てみよう。
「アスリートの生き方を変える」というサブタイトル。2016年の分も早く出して欲しいものだ。
ブランドミッションは「全てのアスリートをよりよくすること(情熱、デザイン、そして革新への容赦なき追究によって)」らしい。かっこいいスライドである。右にいるのはワシントン・ナショナルズのブライス・ハーパー。1992年生まれのやばい選手。
21四半期連続で20%以上の売上成長を達成しており、S&P500に入っている企業としては2社しかないとのこと。もう一社はどこだろう。ググったけどわからなかったので、今度探してみたい。
コネクテッド・フィットネスというのがどうやら新しいキーワードっぽい。
どうやら、スマホアプリなどを通じてフィットネス好きの人たち(=アンダーアーマーのターゲット層)をコミュニティとして囲おう、という戦略のようだ。
アンダーアーマーが対象としているコミュニティに関する統計。63%が女性、42%が海外、71%が40歳未満。女性が多いのはちょっと意外。
登録ユーザーは1.5億人、月間アクティブユーザー数は6000万人、アプリ内で13億のワークアウトがなされ、60億の食事が記録された、ということかな。
「コネクテッド・フィットネス」のタイムライン。2005年にデジタルトラッキングをはじめ、2013年には「MAPMYFITNESS」、2015年には「ENDOMONDO」「MYFITNESSPAL」などを買収した。3社とも、フィットネスや食事などのトラッキングアプリを提供する会社だった。
2017年にはハードウェア企業との提携を結び、2020年以降でスマートウェアを発表する、という計画らしい。
「コネクテッド・フィットネス」は、アプリ、デバイス、広告(主?)、アンダーアーマーブランドのウェアなどを通じて展開される。広告による収益化もやってるのか。
一連の取り組みにより、ブランド認知、一回あたりの購入単価などが向上したという。
「コネクテッド・フィットネス」における売上のドライバー。日常活動、睡眠、フィットネス、栄養などでは広告による収益化をすでに行なっており、サービスやライセンス・ハードウェアなどによる収益化も今後進めていくとのこと。
これにより、新しくより巨大なマーケットに踏み込もうという戦略のようだ。
食品・栄養が2兆ドル、スポーツ・アパレルが2500億ドル、ヘルスケア・フィットネスが8兆ドル。若干無理やり感はある。
これらの戦略により、素晴らしいデジタル体験、消費者のインサイトを得られるプラットフォームを作り、成長性をさらに増大させていく戦略のようだ。
これって要するに、スポーツアパレル企業からデジタルサービス企業への転身を図っている、っていうことだよな。これが成功したらなかなかすごいことになりそうだ(失敗する確率も高い気はする)。
というか、2016年版のアップデート・スライドがないけどどうなってるんだ。最新のアニュアルレポートも今度見てみるか。